藤川太の「しあわせ家計」を作ろう(家計の見直し相談センター)

seikatsu1.exblog.jp
ブログトップ

放射線医学総合研究所

千葉の稲毛にある「放射線医学総合研究所(放医研)」に行ってきました。

放医研は先進医療に指定されているがん治療である「重粒子線治療」を行っている数少ない医療機関。というよりも、重粒子線治療は、放医研が開発したもので、世界の重粒子線治療の半分以上をここで実施しているそうです。


ちょっと前まで先進医療の一つだった放射線治療は現在は健康保険の対象治療となり、実施している医療機関も増え一般的になりつつあります。ただ、放射線は体の表面に近いほど強く、体の内部にいくほど弱くなていきます。放射線をあてることでがん細胞を死滅させるのですが、正常な細胞まで死滅させてしまうデメリットがありました。

こうしたデメリットを克服するのが一般的に粒子線治療という治療法です。放射線は電磁波の一種ですが、粒子線はプラスイオンをがんにぶつけて死滅させます。粒子線治療はがん細胞を死滅させる効果が大きいだけでなく、がんにピンポイントで当てることができるため正常な細胞を死滅させてしまうリスクが小さいのがメリットです。

これまで5000症例程度実施され、がんの種類によっては5年生存率が90%を超えるなど、非常に高い効果が得られています。従来のがん治療では手術すらできないようなものでも完治したりと、すばらしい成果をあげています。痛くもない、熱くもない治療なのに、がん細胞が死滅するなんて夢のような治療法です。

詳しい治療実績はこちら


粒子線治療にもいくつか種類があって、日本で実施されているのは主に「陽子線治療」と「重粒子線治療」です。どちらも先進医療に指定されています。

ぶつけるプラスイオンの重さが大きいほど効果が大きくなります。陽子よりも炭素の方がはるかに重いので、陽子線治療よりも重粒子線治療の方が効果が高い治療と言えます。ただし、陽子にしても重粒子にしても、体の中にぶち込むには、光速に近い速度まで加速させる必要があります。重粒子線治療では光速の80%にまで加速させるそうです。

粒子が重いほど加速させるのが大変です。特に加速させる際に、円を描くようにパイプを配置した加速器(シンクロトロン)を高速でグルグル回転させながら加速させるのですが、速ければ速いほど、重ければ重いほど遠心力が大きくなり曲げるのが大変になります。強力な電磁石で曲げるのですが、強力な電磁石を作れなければ装置がとても巨大なものになってしまいます。

実際に日本で始めてできた重粒子線設備は120m×65mと巨大なものです。ですから、いくら効果が高くても、巨額な建設コストがかかってしまうわけです。現在、群馬大学に建設中の重粒子線施設は最新技術を投入し放医研の1/3の大きさでできるそうです。

こんな重粒子線治療の技術料は314万円と高額です。誰もが受けられる治療では有りませんね。ただ、何度重粒子を当てても一律料金で明瞭会計です。施設の建設コストを考えると健康保険の対象になることは難しそうですし、現在よりも技術料が安くなることもなかなか難しそうです。

お金があれば助かる命も、お金がないばかりに助からない。こんなことが起きているような気がします。国は無駄なお金を使う余裕があるなら、こうした施設をもっと作ればもっと多くの命を救えるはずです。もっと多くの人に知って欲しい技術でした。


------------------------------------------------------------------------------
家計の見直し相談センター
[PR]
by seikatsu1 | 2009-10-02 18:15 | 雑感